Global Research Report
マルチオーサーシップと研究分析
Web of Science の調査によると、100を超える国で著者数1,000名以上の研究論文数が増加していることがわかりました。著者数と著者の所属国数が共に増加したことにより、典型的な学術論文のものとは異なる複雑なオーサーシップのパターンが生じ、被引用率の上昇につながっています。
本レポートでは、被引用率の上昇効果と複雑なオーサーシップを関連付ける、2つのパターンについて記述していきます。1つはマルチオーサーシップ (著者数11名以上、所属国6か国以上) に伴う一般的な被引用率上昇であり、もう 1つはハイパーオーサーシップ (著者数101名以上、所属国31か国以上) が引き起こす大きな影響力です。
レポート内容抜粋:
著者数と所属国数について
オーサーシップについて近年の全体的な傾向と現在の拡大状況を明らかにするため、2009年から 2018年までの期間に Web of Science で索引化されたジャーナルを対象として、論文であると明確に確認された原著論文 (レビュー論文やその他のドキュメントタイプではないもの) 1,570万報を調査しました。
研究分野ごとのマルチオーサーシップの状況
全体的な傾向は明白であり、複数著者による論文数はやや増加、複数国の著者が関わる論文数は大幅に増加しています。しかし、このパターンはあらゆる研究分野に広がっているものでしょうか、それとも特定の研究分野に限定されているものでしょうか。
研究分野における国際共著の増加状況の違い
著者の所属国数についても、同様に増加していることが予測されました。
分野ごとの被引用率への影響
大規模研究経済圏では、著者数の多い論文グループが非常に多く、著者数の増加に伴い、著者数50名程度までは平均CNCI も上昇しており、この人数を超えるとやや下降する傾向が見られます。