スペシャルレポート
Drugs to Watch 2023
クラリベイトが毎年発表する「Drugs to Watch™」は、上市後5年以内にブロックバスターとなり、治療パラダイムを変える可能性のある上市前の開発後期の医薬品・生物学的製剤に焦点を当てたレポートです。
現在、新薬の承認において、個別化医療が大きな割合を占めています。これらの治療法はライフサイエンスにとって大きな飛躍であり、多くの場合、これまで治療不可能であった疾患の治療法を提供します。しかし、ターゲットが絞られるため、かつての大量生産型の治療薬よりも潜在的な患者集団が少なく、製薬会社は開発コストを回収し、次のイノベーションのサイクルに資金を供給するために、価格設定に工夫を凝らす必要があります。場合によっては、その結果、支払者は新規治療薬に厳しい制約を課し、その商業的可能性と患者への潜在的な利益の両方を制限することになるかもしれません。最も成功した新しい標的治療薬でさえ、過去数年間、当社の「Drugs to Watch」の主要な指標であったブロックバスターの地位には届かないことがよく起こります。
新しい方法論
このトレンドを念頭に、私たちは「Drugs to Watch」の手法を見直し、発売後5年間で世界的に10億ドル以上の年間売上高が見込まれる医薬品だけでなく、臨床的に重要な影響を与える可能性のある医薬品、つまり未充足の患者ニーズに応え、標準治療を大幅に前進させる医薬品も含めることにしました。今年の「注目の新薬」レポートでは、数百の疾患、医薬品、市場をカバーする160人以上のクラリベイトのアナリストが持つ専門知識を活用し、研究開発および商業化のライフサイクルにまたがる11の統合データセットを用いて、以下を含む15の「注目の新薬」を特定しました。
• Bimekizumab (BIMZELX®)
• Capivasertib
• Daprodustat (Duvroq)
• Deucravacitinib (SOTYKTU™)
• Foscarbidopa/foslevodopa
• Lecanemab (LEQEMBI™) and donanemab
• Lenacapavir (Sunlenca®)
• Mirikizumab
• Pegcetacoplan (EMPAVELI®/ASPAVELI®)
• Ritlecitinib
• Sparsentan
• Teclistamab (TECVAYLI®)
• Teplizumab
• Valoctocogene roxaparvovec (ROCTAVIAN™)
重要なトレンド
本レポートでは、個別化医薬品の増加に加えて、2023年のバイオ医薬品業界にとって重要ないくつかの動向について触れています。
• 規制改革により治療へのアクセスが大幅に拡大した中国本土で急成長するバイオファーマの市場。
• 癌や自己免疫疾患治療薬における最近の技術革新のように、富裕層が懸念する疾患に対応する複雑な生物製剤の開発と、結核、マラリア、水系疾患など国連の持続可能な開発目標に示された世界的惨事に対する新薬開発のバランスを取る必要があること。
変革的イノベーションの緊急性
2022年の製薬会社にとって、研究開発の生産性は依然として課題であり、世界中で承認された新薬は減少しています。これは、COVID時代の企業がこの病気の解決策を模索する方向に軸足を移していること、パンデミックの影響で渡航制限などにより臨床試験や規制当局の訪問が制限されていることを反映していると思われます。研究開発は、より複雑な医薬品や、まだ実験段階にある新しいプラットフォームが登場し、より困難になってきています。
本レポートのダウンロードにはフォームの記入が必要となります。ぜひこの機会に、レポートをご確認ください。
※Drugs to Watch 2023 (日本語版)は英語版の日本語訳です。英語版はこちらのサイトからご覧ください。
Drugs to Watch 2023
ライフサイエンス企業にとって、患者中心主義がオプションであるような世界ではもはやありません。テクノロジー、医薬品開発、規制環境、医薬品の商業市場といったトレンドの収束により、個人を深く理解し、患者中心の結果を提供することは、バイオファーマや医療技術企業にとって今や不可欠なものとなっているのです。